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下野うどん草庵の簡単手打ちうどん製法

美味しいうどんが食べたい!という方は、是非当店へお越しいただきたいと思いますが、ご自宅でも美味しいうどんを食べたいという方の為に、簡単に美味しいうどんを打てる方法をご紹介させて頂きます。
準備するもの
- 【タライや洗面器】
- 小麦を混ぜる為のもので、ボールよりも、底面が広いタライが使いやすいです。
100均の物でOKです。
- 【泡立て器】
- 指で混ぜる自信のない方におすすめです。こちらも100均でOKです。
タライを使う場合、タライの底に合わせて針金を曲げて使いましょう。
- 【麺棒】
- 塩ビの水道管などに使われる物で十分です。すりこぎや100均の物でOKです。
- 【ビニール袋】
- ゴミ袋でも大丈夫です。
- 【計り】
- 家庭用の物で結構です。
- 【麺切り包丁】
- 麺切り包丁は、普通の包丁でも大丈夫。
注意点

うどん玉(小麦を丸めた物)を伸ばす時は、きれいで平坦な場所が良いです。
私は、1m100円程度の床材のシートを使っていました。

小麦粉をこねる塩水は小麦に対し45%から50%です。
水が少ないと堅く、製麺しにくくなってしまいます。
逆に、水が多いと柔らかく、時にはべちゃべちゃになってしまいますので、微調整が難しい場合は50%の割合でやってみましょう。
グルテンを作る塩水の濃度は、一般的には12%程度です。
※味噌煮込み用などは、しょっぱくなるので塩なしで麺を作ります。
ちなみに当店の塩水の基本は、47%で塩水の濃度は10%です(天候などで変わります)。
温度が高いときは塩分濃度を高く、寒いときは低くしますが、塩水濃度や水の量はお好みで、それに合った製麺技術があると思ってください。

小麦粉は、中力粉を使用してください。
スーパーで売っているフラワーは薄力粉ですが、これでも美味しいうどんが出来ます。
うどんを実際に作ってみましょう!

写真1:
タライの底の平らの部分に合わせて曲げたものです。
今回は小麦1kgで作っていきます。
水880gに塩120gを溶かした塩水の中から500gを、小麦粉1kgに加えます。
この量で7人分程になるので、家族が少人数の場合は半分の小麦粉の量でも作れます。
タライに入れた小麦粉に、塩水の半分くらいを入れてください。
これは小麦に塩水を行き渡せるための呼び水の工程で、麺作りで最も重要な工程です。
職人さんやこだわりのある方は10本の指を上手に使って水廻しをするのですが、これはとても難しい技術となるため、「泡立て器」を使うことでとて簡単に、繊細な水廻しができるのです。(写真1)
泡立て器ですが、何本かの針金の部分で、小麦粉の固まりを細かく、もっと細かく切り分けていくような感覚です。
小麦粉に半分量の塩水を入れた物を混ぜていくと、全体に均一なフレーク状の粉になります。
全体に水が行き渡った状態になったら、残りの塩水の半分を小麦に加え、同じく細かくする工程を繰り返します。
再度、固まりのないフレーク状の粉になってきたら、残った塩水を加えます。
今度は、フレーク状の粉にはならないで、団子状の固まりになってきますが、泡立て器で細かい団子状にしていきます。
もうここまで来ると塩水は均一になっているので、あとは時間に解決してもらいましょう。
この団子状の小麦粉を(丸めたりしないで)ビニール袋に入れて、夏なら1時間ほど、冬なら3時間ほど寝かします。
こうすることで均一な水分率と、自然なグルテンの生成が出来ます。
こうして時間に解決してもらうことを熟成と言います。
この熟成が終わったら、グルテン層の形成の為の工程を行います。
コシやもちもちなど、麺の食感を生み出すのがこれからの工程になります。

写真2:
畳んでビニール袋に入れます。
ビニール袋に入った小麦を踏んで伸ばしましょう。
ある程度伸ばしたら、くるくる丸めて折り畳んでまた踏みましょう。
3回も踏むとだんだん小麦粉が堅くなって伸びなくなってきます。
そうしたら、畳んでまたビニール袋に入れて2次熟成を行います。(写真2)
グルテン層が強化されたうどん玉は、堅くて麺状に伸ばせないので、1時間から数時間寝かせます。

写真3:
伸ばした生地畳んで包丁で切ります。
さてここまで来ると伸ばして切るだけですが、重ねた時の境目をなくしてうどん玉を一体化するため、ビニール袋のうどんを少しだけ踏みましょう。
あまり多く踏むと、グルテンが鍛えられて伸びにくくなるので、軽くうどん玉が一体になる程度で大丈夫です。
いよいよ麺棒などを使って伸ばしますが、その時に麺棒などにくっつかないように片栗粉や小麦粉を使って防ぎます。
上手な人は四角に伸ばしますが、丸くても問題ありません。
厚い、薄い、長い、短いなど出来たうどんは個性です。(写真3)
お好みの厚さに伸ばしたら、折りたたんで包丁で切り、片栗粉や小麦粉をまぶして麺同士がくっつかないようにしましょう。

あとは茹でればうどんになりますが、うどんの太さなどで麺の茹で時間は変わります。
沸騰した、たっぷりのお湯で茹でてください。
一言コメント
麺類を作るのに一番重要なのは「水廻し」です。
いかに粉の中の水分量を均一にするか・・・。
そのための便利な道具「改造泡立て器」が有効だと思うのですが、あくまも個人的な見解です。
慣れてきたらご自身でアレンジしてみるのも良いかと思います。
ここまでで麺作りは終了です。
ここからは、出汁とかえしの作り方の紹介になります。
出汁を作りましょう!
イリコ、昆布、椎茸は水に入れて半日から1日ほどそのまま冷蔵庫へ入れます。
この出し汁を、60℃の温度まで上げたら、固形物をこしてください。
次に80℃まで温度を上げたら、このままの温度を維持しながらまず雑節類を入れます。
3分~4分ほどは雑節から灰汁が出るのでこまめに取りましょう。
灰汁が出なくなったら、花鰹を入れて3分ほどでキッチンペーパーでこして出来上がりです。
▼当店の出汁
当店の出汁 (水1リッターに対して) |
昆布20g/イリコ40g/椎茸5g/ウルメ節8g/サバ節8g 宗田節8g/花鰹20g |
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かえしを作りましょう!
最後に「かえし」です。
「かえし」とは、つゆの元となるもので、出汁と合わせて「つゆ」が完成します。
当店では、辛みかえしと、甘みかえしに分けてあります。
辛みかえしは、薄口醤油の中に昆布と椎茸入れ1ヶ月ほど寝かせた物で、醤油の辛さに旨みを加えた物です。
甘みかえしは、みりん、酒、ワインなどのアルコールを煮きり、旨みと甘さを濃縮したものです。
この2種類のかえしの配合や出汁の分量等を変えて、ぶっかけ用やつけ汁用等にアレンジしています。
▼当店のかえし
<甘かえし> | マンジョウ本みりん380g/酒260g/白ワイン48g/赤ワイン30g ・アルコールを煮きり冷蔵庫で10日以上寝かせます |
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<辛みかえし> | ヒガシマル薄口醤油420g/昆布12g/椎茸5g ・沸騰する直前に火を止め冷蔵庫で1ヶ月寝かせます |